エンタープライズ用の光ディスク 宇宙曝露実験プロジェクトエンタープライズ用の光ディスク 宇宙曝露実験プロジェクト

ミッション完了! 詳細を見る

What's New

2022年5月13日
2020年3月にデータ公募&記録後、2020年10月に宇宙へ打ち上げられた光ディスクが約1年間の宇宙曝露実験を終えて地球に帰還しました。光ディスクに記録していたデータを問題なく読み取ることができ、本ミッションは無事完了しました。

チャレンジチャレンジ

エンタープライズ用途の大容量・高信頼性を実現した業務用光ディスク規格「アーカイバル・ディスク」は、貴重な情報資産をセキュアかつ長期に残していくために100年を超える保存性と優れた耐久性を持つ。
この光ディスクの耐久性を、地上よりも遥かに過酷な環境である宇宙空間で試す
宇宙空間にさらされても、大切な記録データを維持し、地球に無事帰還できるのか?
本サイトでは、この新たなチャレンジの状況を発信していく。

ミッションミッション

宇宙空間という極地環境に約1年間、「パナソニック製 500GBアーカイバル・ディスク」を曝露する。経年変化に耐え、地球へ帰還後も記録データを無事読み取れるかどうか検証を行う。

高真空で熱変化が大きく、宇宙放射線が降り注ぐ国際宇宙ステーション(ISS)

ISSは、地球の大気が微量に残る高度約400㎞の軌道に沿って約90分で地球を一周している。JAXAの保有する「きぼう」日本実験棟船外において、簡易曝露実験装置 (ExHAM)を使って光ディスク曝露実験を行う。
曝露する光ディスクは、固定保持用アダプタに内蔵することにより、宇宙環境の直接的な影響は回避可能である。しかしながら、依然以下のような過酷な環境に地球5840周/1年を通じて曝されるため、エンタープライズ用の記録メディアとして重要な、堅牢性・保存性が試される。

  • 低温環境への耐性(▲80℃~0℃)
  • 激しい温度サイクルによる物理影響(5840回)
  • 高真空大気への放置(10^-5パスカル)
  • 電磁波の侵入による材料影響(ガンマ線・X線)
  • 電離放射線の粒子による記録データへの影響

ISSを取り巻く環境(出典:JAXA)

簡易曝露実験装置

「簡易曝露実験装置(ExHAM)」とは?
・ExHAMサイト:http://iss.jaxa.jp/kiboexp/equipment/ef/exham/
・ExHAMパンフレット:http://iss.jaxa.jp/kiboexp/equipment/ef/exham/exham_160322.pdf

メッセージメッセージ

エンタープライズ用途のアーカイブストレージとして大きな可能性を持つ光ディスクについて少しでも多くの方に知って頂きたいという思いから、「宇宙に飛ばしてみよう!」というアイデアに至りました。宇宙での実験は未知の領域ですが、宇宙事業関係者の方々から多くの助言を頂きながらここまできました。
データと生きる社会において、当社は「残すことで実現できる未来」へのアーカイブソリューションの提供を目指して参ります。

パナソニック株式会社 コネクティッドソリューションズ社
ストレージ事業開発センター アーカイブビジネスソリューション 
渡辺大樹・宮下晴旬

プロジェクト進捗プロジェクト進捗

2020年3月

データ公募開始!

ハッシュタグ #宇宙ストレージ で「100年後も
残しておきたい思い出」を募集(3/31まで)

2020年4月

宇宙へ飛ぶデータ決定

#宇宙ストレージ」で収集したデータを、地上で光ディスクに記録。

JAXAへ光ディスク提出

簡易曝露実験装置(ExHAM)への地上フィットチェックと搬送準備

2020年6月

ロケット射場に搬入

バージニア州ワロップス飛行施設
参考サイト(Wallops Flight Facility): https://www.nasa.gov/centers/wallops/home

2020年10月

宇宙へ打上げ

ロケット:Antares 230+、光ディスクを搭載する補給機:Cygnus NG-14
参考サイト(Northrop Grumman):https://www.northropgrumman.com/space/

曝露実験開始

光ディスクを搭載したExHAMを「きぼう」船外へ搬出し、取り付け。

2022年1月14日

曝露実験終了

約一年間の曝露実験終了。「きぼう」船内に搬入。

2022年1月25日

地球へ帰還~回収完了

補給機:SpX-24

2022年4月

光ディスクの信頼性確認完了

地球に帰還したディスクからデータが変化なく保持され、読み取りができることを確認。

ミッション完了!ミッション完了!

関連記事関連記事

  • 【産業技術総合研究所】地球環境研究を支えるパナソニックの技術:膨大な地球観測衛星データを光ディスクに長期保存。
    記事を読む>>

  • 【宙畑】人工衛星の記録媒体の歴史と未来:パナソニックの実証実験や、宇宙で用いられる記憶媒体の可能性についてご紹介。
    記事を読む>>