おぎくぼ正クリニック様
全ての患者様の状態が常に見え、急な連絡にも的確に対応できる。
質の高い訪問診療の実現にタフブックCF-H1が貢献
高齢化の進展とともに、さまざまな理由から病院に通えない方が増えています。おぎくぼ正クリニック様は、こうした方々の自宅・施設を訪問し、医療サービスを提供する訪問診療専門のクリニックです。TOUGHBOOK CF-H1に、全ての患者様のカルテ情報を転送。24時間体制でさまざまな場所を訪問する訪問診療にとって、欠かせないツールとして利用されています。
納入先プロフィール
- [納入先]
- 医療法人社団 藍正会
おぎくぼ正クリニック様 - [所在地]
- 東京都杉並区上荻3-29-11 旭ビル501
- [ホームページ]
- http://tadashi-clinic.com/
- [システムご担当]
- 株式会社デジタル・オフィス様
http://www.digitaloffice.co.jp/

24時間対応の訪問診療専門医として、地域に根付いた医療を提供
おぎくぼ正クリニック様は、東京都杉並区荻窪にある訪問診療を専門とするクリニックです。一般の病院のように外来の患者様を診察するのではなく、慢性疾患の患者様を中心に、さまざまな理由から病院に通えない方々の自宅・施設を訪問して、24時間体制で医療サービスを提供しています。
院長の阿部正先生は、もともとは脳神経外科の医師として病院にお勤めでした。
「現在の急性期医療では、手術後二週間から一ヵ月で退院・転院されますので、その後のことがなかなかわかりません。医師として、患者様が退院された後の状態や生活は常に気になっていましたし、また地域の医療に携わりたいという強い思いもあって、2005年に当院を開院しました」(阿部先生)
おぎくぼ正クリニック院長阿部正先生
「CF-H1は訪問診療の現場に欠かせないツールです」
紙カルテの限界を痛感して、電子カルテとCF-H1を導入
開院当初は、紙カルテを利用されていました。その日に回る10人前後の紙カルテをカバンに入れて、患者様宅を訪問。クリニックに戻り、事務処理をされるのが通常の日課でした。
ただ、予定外の患者様から急な連絡が入ることも珍しくありません。そうした時、紙カルテの限界を痛感されたとおっしゃいます。
「紙のカルテといっても、軽いものではありません。患者様一人に1ファイル、長く治療されている方だとファイルも分厚くなるので、10人程度のカルテを持ち歩くのにも旅行カバンほどのバックが必要になるのです。
それ以上に困るのが、急な連絡が入っても、手元にその患者様のカルテがないこと。記憶に頼ったりクリニックに電話してカルテを確認したりしていました。しかし、それでは効率も悪いですし、クオリティも望めません。また、医師が増えたときのことも考えると、頭の中に依存したり、書く人の個人差の大きい紙カルテではまずいと感じていました。そのようなこともあり、全ての患者様のカルテ情報を、どんな場所でも見ることができる電子カルテを導入したいと考えていました」(阿部先生)
そこで、2010年に株式会社デジタル・オフィス様が提案した往診電子カルテシステム「m-WAVE」を導入。往診用の端末としてCF-H1を利用されることになったのです。
往診電子カルテシステム「m-WAVE」。タッチでの操作性を意識し、ボタンや文字サイズも大きく作られています。
全カルテデータに常にアクセスでき、クオリティの高い診療を実現
電子カルテシステムの導入後、訪問のスタイルは大きく変わりました。出かける前には、サーバー内の全患者様のカルテデータをCF-H1に転送します。その後、必要な医療器具とCF-H1、そして携帯用Bluetooth対応のプリンターを持って出発されます。
「特に施設の場合は、一度に多数の患者様を診るので、その場で処方箋や紹介状を印刷するケースが多いのです。CF-H1ならBluetoothでプリンターに接続できるので、たいへん便利です」(阿部先生)
同様のことはノートパソコンでも可能ですが、やはりCF-H1のコンパクトな筐体とタッチによる操作性は、ノートパソコンとは比較にならないとおっしゃいます。
「ノートパソコンだと平面の置き場所が必要ですが、患者様宅や施設での回診時には場所がないことも少なくありません。また、背面にハンドストラップが付いていますので、片手で持って検査結果を表示しながら説明することもできます。手書きで入力もでき、変換も意外と良いので、数行の文章であればペンだけで十分間に合います」(阿部先生)
予定外の患者様から急な連絡があっても、通信環境に依存しないので、慌てず適切に対応できるようになったともおっしゃいます。
一日の訪問診療が終わってクリニックに戻ると、CF-H1をクレードルにセットし、サーバーとデータを同期します。この方式はBCPの観点からも有効であるとおっしゃられます。大規模災害などで設備が使えなくなったり通信が不通になってもCF-H1を持ち出せば電子カルテを使用することができます。
「災害時など、十分な治療はできないとしても、薬歴を参照するだけでも、たとえば糖尿病の患者さんにインスリンを出してあげることができ、かなり救われます」(阿部先生)
阿部先生自らクルマを運転されて患者様宅を訪問されます。片手で持ち運べるCF-H1には、全患者様のカルテ情報が保存されています。
手書き認識による文字入力。短い文章であれば、ペンによる入力で十分間に合います。
万全のセキュリティ対策を実施。長時間駆動、頑丈設計が現場で活躍
電子カルテ情報をCF-H1に入れて持ち出すため、セキュリティには二重三重の対策がとられています。まず、OSや電子カルテへのログインには指紋認証を採用。阿部先生と非常勤の先生の指紋が登録されており、ID/パスワードの入力を簡素化するだけではなく、万が一盗難にあったり紛失したりしても、第三者がログインすることが出来ないようにしています。
また、ハードディスクの暗号化に加え、万一、ハードディスクを取り外し、別のコンピュータに接続してもCF-H1のハードディスク保護機能により、中を見ることは不可能です。
さらに、頑丈設計や長時間駆動などのハード面の特長も、訪問診療に好適です。
「訪問診療の先生はさまざまな場所に行きますので、端末を落としたりぶつけたりする可能性は十分にありますし、雨などで濡れることもありますから、通常のノートパソコンでは無理があります。また、1日中外出しての使用のため、CF-H1なら長時間使用できるので安心して提案できます」(デジタル・オフィスご担当者様)
阿部先生によればスタンバイ機能をうまく利用すればほぼ1日持つとのこと。ただ念のため常に予備のバッテリーも1つ準備し、バッテリー切れを心配することなく、安心して診療にあたっているとのことです。
指紋認証によるログイン。センサー上で指を動かすだけなので、訪問先でもスムーズに行えます。
これからは訪問診療の現場に、不可欠なツールになる
電子カルテシステムを徐々に使いこなしてきた阿部先生。今後は、カメラ機能も積極的に活用したいとおっしゃいます。
「たとえば、褥瘡の状態を撮影してカルテに登録すれば、よりクオリティの高い診察が可能になります。CF-H1なら撮影して、すぐにカルテに取り込めますから面倒もなく、何より間違いもありません」(阿部先生)
また、将来的には病院と診療所、介護事業所、薬局のトータルなネットワークが構築され、そこでCF-H1を使ってデータを共有できるようになれば理想的だとおっしゃいます。
デジタル・オフィスのご担当者様は語ります。
「当社は『医療に携わるさまざまな職種の方々がいつでも誰でも使える電子カルテ』を目指し、開発当初からタッチ操作を意識した操作性を提供してまいりました。やっと今、iPadやWindows 7の登場により当社のコンセプトとITの流れが合ってきました。これからもCF-H1のような『モバイル』『タブレット』機器との組み合わせで、医療従事者が、より質の高い医療を提供できる一助になればと考えております」
介護保険がはじまって約10年。高齢化の進展とともに、今後ますます地域医療の重要性が高まってくることが予想されます。最前線の訪問診療の現場に欠かせないツールとして、CF-H1が活躍するフィールドは、まだまだ広がりそうです。
(2010年 10月)