ワイルドナイツの進化を支える、
情報戦略とは!?
パナソニック ワイルドナイツ
分析兼レフリー
貞廣 泰彰さま
飽くなき闘争心と磨き抜かれたテクニックで、数々の戦いを勝ち抜いてきた輝かしい戦績。そして何度倒れても常に挑み続けるタフなプレイスタイルから、国内だけでなく世界からも注目を集めるラグビーのトップチーム『ワイルドナイツ』。2013年度からの3シーズンではジャパントップリーグ3連覇を達成し、強者の名を響かせました。
その後2016年、2017年のトップリーグでは優勝に手の届くポジションまで勝ち上がりながらも2年連続で勝ちを逃しており、今年の活躍には大きな期待が寄せられています。
王座奪還を狙い特訓に明け暮れる野武士たちを、データ分析・レフリーというポジションから支えている貞廣泰彰さまに、ワイルドナイツにおけるデータ活用法についてお聞きしました。
映像と数値を
紐づけたデータ分析で、
ワイルドナイツの
戦力を見える化。
ワイルドナイツでは以前から、選手一人ひとりのポテンシャルを最大限に発揮するため、試合や練習の結果をデータとして保存・分析し、選手へのフィードバックを実施。各自の課題の発見および練習内容の精度アップ、そして対戦チームの分析と対策などに役立てられています。
ここで活用されているデータは、トライの成功率やボールの支配率といった統計的な数字だけではありません。ワイルドナイツにおけるデータ活用において最も重視されているのは、映像データです。
選手の動きを点で捉える統計的な数字に対して、ゲームを面で記録する映像なら、試合の動きを俯瞰して確認することが可能に。チーム全体と選手一人ひとりの動きをゲーム結果に紐づけて把握することができます。
映像を用いたデータ活用には、GameLens(ゲームレンズ)というアプリケーションを使用しています。3台のカメラで捉えた試合の映像を取り込み、試合中の選手の動きを数値データとして書き込んでいけば、試合の流れに沿って数値データと映像を同時に閲覧することができます。
映像による記録とデータの具体的な活用法を、貞廣さまにお聞きしました。
「私たちが行っているのは、得点に繋がったトライを、一人の選手の活躍として単純に見るのではなく、チーム内の各選手がどこで、どのように動いていたから好連携が生まれたのかなど、ひとつのアクションをチーム単位で分析すること。そうすることで、得点に結びついた状況を次のゲームでも再現したり、さらにフォーメーションを強化するといった勝ちにつながる戦略が立てやすくなるのです。試合を勝ち進むために、映像によるデータ分析は、いまや必要不可欠なプロセスになっています」。
貞廣さまは試合が終わると、撮影データをGameLensに取り込み、試合の内容を何度も確認しながら一人ひとりのプレイ内容を詳細に記録していきます。
例えば、一人ひとりの選手のキック数を記録し、さらにそのうち何本のキックが得点や失点に結びついたかなど、選手の一挙一動を結果に結びつけながら数値化。こうすることで、選手一人ひとりのプレイ内容は付箋のように映像上にマーキングされるので、ハイライトしたいシーンを、即座に頭出し再生することが可能です。例えば『得点を入れた選手にパスを回した選手のポジションと動きを確認したい』という要望に、ワンクリックで応えられるのです。
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データ活用には、14.0型大画面モバイルPC レッツノート CF-LXと、10.1型頑丈デタッチャブルPC TOUGHBOOK CF-20の2タイプを使用。高いパフォーマンス性とバッテリー持ち、持ち運びやすさ、Windowsアプリケーションを使用できるといった点で選択し、いまでは心強い相棒のような存在だと語る貞廣さま。
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試合の様子はグラウンド全体が映るように、3台のカメラを使って撮影されています。時には高所作業用車両のクレーンに乗って撮影することも。
映像データの活用により、コーチ陣の指導だけでなく、
選手たちの動きにも変化が。
映像を軸としたデータ活用は、選手の自発性にも良い影響を与えているそうです。選手一人ひとりが得点につながったプレイや、自分のミスなどを客観的に振り返ることができるようになったことで、練習への取り組み方に変化が生まれてきました。
「さまざまなアングルから撮影された映像を何度も繰り返し閲覧し、自分のプレイを細かく検証している選手がたくさんいますね。客観的な記録があることで、監督のアドバイスに具体性が増したと感じている選手も多いのではないでしょうか」。
数字として残らないフィールド上の動きが映像として記録されることは、選手にとって自分の実力を客観的に捉え直す、重要な情報のひとつ。最近ではコーチからのアドバイスを待つだけでなく、選手同士で試合の振り返りなどが活発に行われ、自主的な練習にも生かされるようになりました。それを裏付けるように、クラブハウスの食堂に設置された選手専用の情報端末の前には常に誰かしら選手が座り、検証を行っている様子が日常の風景になりつつあります。
ここで選手たちに使用されている情報端末が、ワイルドナイツとともに最強を目指す、タフブック。普段はPCとして使え、持ち出す時はタブレットとして使える10.1型 頑丈デタッチャブルPC TOUGHBOOK CF-20は、映像のコマ送り時などに細かなキー操作が可能であることや、遠征先にも持ち出せる頑丈性が好評を集め、すっかり選手たちの頼れる相棒に。クラブハウスだけでなく、移動中のバスの中などどこへでも持ち出すことができるので、すぐに試合結果を振り返りたい選手たちにとって、手放せない存在になっているそうです。
ロビー・ディーンズ監督の掲げる練習方針は「与えすぎない練習」。必要最低限のメニューだけを与え、逆に選手の側から「こんな練習をしたい」と意見を出してくるような、絶妙なバランスを大切にしているといいます。そこで活きてくるのが、この映像データです。選手が自発的に考え、練習に取り組んでいく今のスタイルが、今後のワイルドナイツの強さをさらに押し上げる重要な要素の一つになると期待されています。
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3つのアングルから撮影された映像を同時に再生している様子。1つのプレイをさまざまなアングルから検証することが可能に。
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クラブハウスに設置されたCF-20の前では、選手たちが自主的にデータ検証をする姿が。この日も選手がCF-20の前に集まり、取材直前に行われた強化試合の映像を振り返り、検証を行っていました。
若手選手もさらに力をつけ、
野武士軍団は、
再び頂点を目指す。
選手同士のコミュニケーションや自主的な練習なども活発に行われ、チーム全体に良い流れが生まれていることを受け、新たな期待も高まってきました。何度も映像データと戦績から試合を振り返り、数値には現れない選手のクセや、強みも見守り続けている貞廣さまは、チームの大きな可能性を感じられています。
「世界とも戦えるベテラン選手の多いワイルドナイツですが、近年注目すべきは若手選手の成長です。ベテラン選手はもちろん、若手選手が実力を伸ばしていくことで、チーム全体の底上げになると考えています」。
「チームとしては今シーズンはしっかりと勝ちを穫っていきたいですね。分析という立場としてはもちろん、チームの一員として、新しい選手の活躍はやはりとても楽しみです。いい結果を出すことを一丸となって目指しているので、私もそれをしっかり支えていきたい」。
そして貞廣さまは、映像を用いたデータ活用は、他のスポーツの分野でも十分に活用していけるものだと語ります。
「トップリーグを戦う他のチームでも、近年データ活用が当たり前のものになりつつあります。そんな時代において選手のポテンシャルを最大限に発揮し続けられているのは、いつでもどこでも最大限のパフォーマンスを約束してくれるレッツノートやタフブックといった、Panasonicのデジタル端末があってこそ。これからもこの端末を活用して、ワイルドナイツの活躍をサポートしていきたいですね」。
レッツノート、タフブックを用いたデータ活用を武器に、試合の数だけ強さを増していくワイルドナイツ。次はどんなプレイで一層強くなった姿を示してくれるのか。今後の戦いから、目が離せません。
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