今回の北京大会では、大会史上初めて収録から送出まで全てHD方式による放送となります。さらに、映像取材用カメラには半導体メモリーを使用した「P2-HD」シリーズが正式採用されます。オリンピック映像が、HDで半導体メモリーに収録されるのも大会史上今回が初めてのことです。
記録媒体に半導体メモリーが使用されることで、衝撃や振動に対して強く高い信頼性を発揮するとともに、IT機器との親和性も高く、ネットワークを介して記録データの高速転送が可能になり、放送業務のスピードアップとワークフローを革新することが可能です。
このことは、世界で始めて衛星放送中継を実施した東京大会(1964年)や、収録映像がデジタル化されたバルセロナ大会(1992年)に匹敵するテレビ放送における技術革新といえます。
BOBは、松下電器の過去のオリンピックにおける実績と信頼性の高さ、そしてP2-HDの将来性・革新性を評価し、今回の採用を決定しました。
これらの放送機器は、オリンピック期間中、国際放送センター(IBC)および各競技場で公式放送機器として使用されることになります。メンテナンス等のサービス提供の準備もあわせて進めています。また、BOB以外の世界の主要放送局への納入も進めます。
松下電器のデジタルVTRは、バルセロナオリンピックで公式放送機器として採用されて以来、高画質で鮮明な画像が高い評価を受け、今年2月から開催されたトリノ冬季大会では放送用デジタルVTR「DVCPRO HD」シリーズをはじめとする約900台の放送機器を駆使して、フルデジタルによる競技の撮影、放送、記録などのサービス提供を行ないました。
また、トリノでは大会期間中、英国BBCスポーツが放送用半導体取材システム「DVCPRO P2」シリーズを使用しました。なお「DVCPRO P2」シリーズは、2006年4月末で累計出荷が全世界で15,000台を超える見込みです。