パナソニック株式会社は、放送業務用LCDビデオモニター「LH」シリーズの新製品BT-LH2170を2012年冬より発売を開始します。
新製品BT-LH2170は、放送業務用としてハイエンドの性能・機能を備えています。3次元ルックアップテーブル(3D-LUT)補正など「LH」シリーズならではの高画質エンジンが忠実な色合いと滑らかな階調性、および応答性の良い動画表示を実現します。さらにLEDバックライトを採用したフルHD 21.5型新IPSパネルにより、高画質・広視野角を実現するとともに環境にも配慮した設計になっています。
また、ダイキャストフレームによる堅牢設計とAC/DC両電源対応、RGB 各色WFMに加え新機能「Y MAP」機能や「ZEBRA」表示機能を新たに搭載することで、フィールドでのカメラ収録をサポート。安全・簡便な3D映像の収録を可能にする3Dアシスト機能も搭載しています。SDI(3G SDI)、HDMI、DVI-I端子を標準装備するほか、SDI CC(クローズドキャプション)表示機能や、RS-485シリアルリモートなどを備え放送業務に幅広く対応し、制作・放送からビジネスユースまで幅広いニーズに応えます。
なお本製品を、4月16日(月)から19日(木)までラスベガスコンベンションセンターで開催される全米国際放送機器展「2012 NABショー」に展示します。
1. 3次元ルックアップテーブル(3D-LUT)による忠実な色再現。遅延1フィールド未満の高性能I/P変換。 2. 水銀レスのLEDバックライト採用、広視野角のフルHD21.5型新IPSパネル搭載。 3. 堅牢設計とDC駆動対応、フィールドでのカメラ収録(2D/3D)をサポート。 4. SDI入力標準搭載。RS-232Cに加えてデイジーチェーンが可能なRS-485リモートにも対応。
1. 3次元ルックアップテーブル(3D-LUT)による忠実な色再現。遅延1フィールド未満の高性能I/P変換。
3D-LUTによる忠実な色再現 信号レベルごとのR/G/B 各色の3次元ルックアップテーブル(3D-LUT)を使用した高精度10bit 色補正により、低輝度から高輝度まで正確な色再現と中間調の自然な色合いが得られます。 LCDパネルは信号レベルが下がると色域が狭くなりますが、このとき同時に色相シフトが生じることにより色ずれが発生します。パナソニックLHシリーズLCDモニターに搭載された3D-LUT色補正機能は、信号レベルごとのルックアップテーブルを保持しており、3原色(RGB)とその補色(YCM)の6つの座標軸がバランス良く配置されるようにRGB各色10bitで補正処理を行うものです。これにより、低輝度レベルでの色ずれを軽減し忠実な色再現を実現しています。
遅延1フィールド未満 SD/HDインターレース信号を高精度にプログレッシブ信号に変換・生成する高性能I/P変換回路により、回路系の遅延(パネル除く)は 約5msec※。入力と出画の遅延を1フィールド未満に抑えています。
2. 水銀レスのLEDバックライト採用、高画質・広視野角のフルHD21.5型新IPSパネル搭載。 新開発の広視野角(左右/上下178度)の高画質フルHD(1920×1080)21.5型IPSパネルを搭載。また、水銀レスのLEDバックライトを採用するなど環境に配慮した設計です。
3. 堅牢設計とDC駆動対応、フィールドでのカメラ収録(2D/3D)をサポート。 当社放送用LCDビデオモニター「LH」シリーズとして、放送局・制作プロダクション業務に必要な機能を搭載しています。また、ダイキャストフレーム採用の堅牢設計とDC駆動対応によりフィールドでのカメラ収録をサポート。さらに、安全・簡便な3D映像の収録を可能にする3Dアシスト機能も搭載しています。
ダイキャストフレームとAC/DC両電源対応 BT-LH1700シリーズ、BT-LH910同様に堅牢なダイキャストフレームを採用。またAC/DC両電源対応で、バッテリー駆動を含む柔軟な運用が可能です。
RGBウェーブフォームモニターとベクトルスコープを搭載 波形モニター機能を内蔵しており、子画面で表示できます。輝度(Y信号)に加え新たにR/G/Bの各信号を選択して表示可能になりました。ベクトルスコープ機能は、SDI入力された映像信号の色域を子画面で合わせて確認できます。画面の表示位置は四隅が選択できます。
輝度レベルが容易に確認できる新機能「Y MAP」表示と「ZEBRA」表示 ウェーブフォーム機能に加え、画像の輝度レベルを色分けしてマッピングして表示する新機能「Y MAP」を搭載、撮影時の輝度レベルを容易に確認することができます。また、業務用カメラレコーダーに搭載されているものと同様の「ZEBRA」表示機能も搭載し、撮影への利便性を提供します。
多彩なマーカー(アスペクト/セーフティエリア/センター)とクロスハッチ・グリッドを表示可能 16:9画角、4:3画角の映像に対して多彩なマーカー表示ができます。アスペクトマーカー(16:9)は、 4:3、13:9、14:9、CNSCO 2.39、CNSCO 2.35、2:1、VISTAの7 種類の画角が確認可能です。セーフエリアマーカーやセンターマーカーも搭載。センターマーカーは16:9モード時、アスペクトマーカーの画角に対応したセーフエリアマーカーを重ねて表示できます。パネル画面上にグリッドを表示するクロスハッチ機能は、水平・垂直の確認が簡単に行えます。新機能クロスマーカーは画面上の任意の場所にオーバーレイ表示させることが可能で、先述のマーカーと組み合わせることで撮影構図の再現などが容易になります。
静止画フレーム表示 任意フレームの映像を副画面として静止画表示できます。この機能を活かし、予め撮影しておいた映像とのフレーム合わせなどに活用できます。
2系統入力/2画面表示 2系統のSDI入力映像を同時に表示できます。CG/実写の合成に便利なほか、一時的に2台のモニターとして柔軟に運用できます。
※2系統入力の組み合わせによっては同時表示できない場合があります。
オーディオレベルメーターとTC、クローズドキャプションの各表示に対応 オーディオレベルメーターは、エンベデッドオーディオ(SDI、HDMI※)及びアナログオーディオの入力レベルを画面表示します。2ch/4ch/8ch/offの表示選択、基準ポイント設定、ピークホールド、オーバーレンジ表示が可能です。HD SDI(3G SDI含む)では、1-8ch、あるいは9-16chのレベル表示ができます。 また、SDI 入力時にはタイムコード(VITC/LTC/UB)値を表示。TCとUBは同時に表示が可能です。さらにSDIまたはVIDEO入力時にクローズドキャプションを表示できます。HD SDI CC 規格EIA/CEA-708(SD SDI CC 規格EIA/CEA-608)対応、最大8つのウインドウを表示可能です。
安全・簡便な3D映像収録を可能にする多彩な3Dアシスト機能 2つのSDI入力端子に3DカメラのL/R映像を接続して、2 画面で3D映像を確認・チェックできます。リグ式3Dカメラシステムの調整アシスト機能を多彩に備え3D撮影における準備時間の短縮と精度向上に貢献します。
●MIRROR 3Dリグ式カメラ使用時の基本調整。L/R 映像をサイドバイサイドで表示した状態でR映像を左右・上下に反転させることができます。
●SHIFT オーバーレイ表示にてR映像のみを水平・垂直に移動することができ、L/R 映像間の回転のずれを確認できます。
●COMPARISON 全面表示のL/R画像を自動または手動で交互に切り替えて、コンバージェンスポイントを確認できます。
●CONVERGENCE 全面表示のL/R画像を自動または手動で交互に切り替えて、コンバージェンスポイントを確認できます。
●COLOR 全面表示のL/R 画像をチェッカー状に合成します。L/R 画像間の輝度や色ずれを容易に確認できます。
●ZOOM FOCUS サイドバイサイド表示の一部を拡大表示し、L/R映像間のフォーカスやズームのずれを確認できます。全面表示のL/R画像にてフォーカス・イン・レッド機能も使用できます。
●VERTICAL サイドバイサイド表示で横線の補助マーカーを使用して、L/R 間の垂直ずれを厳密にチェックすることができます。
●OVERLAY オーバーレイ表示または差分白黒/カラー表示映像に縦線マーカー(3%間隔) を重ね、左右視差の幅を確認できます。新たに、2%、1%間隔のマーカーも選択できます。
4. SDI入力標準搭載。RS-232Cに加えてデイジーチェーンが可能なRS-485リモートにも対応。
多彩な映像入力 HD/SD自動切換、エンベデッドオーディオ対応のSDI 入力2 系統(SDI1/SDI2)を標準装備。出力オーディオチャンネルを切換可能。HDリンクHDMI (Type A)入力を装備。BD/DVDプレーヤーなど幅広いデジタルHD 機器と高品質のデジタル接続が可能です。また、デジタルおよびアナログコンポーネント入力兼用のDVI-I(シングルリンク)を装備しており、PCやノンリニア編集システムからの入力にも対応します。
RS-485シリアルリモート GPI端子、RS-232C端子に加え、RS-485端子を新たに装備。デイジーチェーン接続で最大32台を制御。TSLコマンドによりテキスト表示(英数字8文字)、タリー表示が可能です。また、従来からのパナソニック独自コマンド(RS-232C相当)にも対応しています。
*その他の機能、定格等は詳細が決まり次第、別途発信させていただきます。 *掲載の機能は開発中のものであり、改善等のために予告なしに変更される場合があります。