■特長の説明

1.マスターグレードからネットワーク転送用の低ビットレートまでサポートする高画質コーデック体系「AVC-ULTRA」と「microP2カード」など最新放送用テクノロジーを搭載。

新製品AJ-PX270には、最新の放送用テクノロジーを搭載しました。新開発220万画素1/3型MOSイメージセンサー（×3）による高画質1080/59.94p、1080/50pのプログレッシブ・フルフレームレート撮影（4:2:2 10bit）に対応し、標準装備の3G SDI/HDMI^※1端子から出力できます。
※1：HDMIの出力は4:2:2 8bitです。

記録コーデックは業界標準の「AVC-Intra」に加え、低レートでフルHD 1920×1080、4：2：2 10bit画質の「AVC-LongG50/25」を初搭載。「AVC-LongG12」（4:2:0 8bit）による、長時間記録も可能です。さらに、「AVC-LongG6」（4:2:0 8bit）によるフルHDプロキシー（MOV形式）とのデュアルコーデック記録を行う事で、ニュース速報などにHD映像を低レートでファイル転送することが可能です。加えて非圧縮記録に迫るマスターグレードの高画質を実現するAVC-Intra200にも対応します。（別売オプション。近日発売予定。）

従来の「P2カード」スロット（×1）に加え、ハンドヘルド型で初めて「microP2カード」スロット2基を装備しました。「microP2カード」はSDメモリーカードをフォームファクターにした新・放送用記録メディアで、従来の「P2カード」（PCカード規格Type-II準拠）に比べて大幅なサイズダウンとコストダウンを実現しながら、同等の容量（32GB/64GB）を備え、さらに高速転送・高信頼性・セキュリティも確保しています。2基のカードスロットによる、リレー記録や同じファイルを同時記録するサイマル記録にも対応しています。さらに、片方のカードをRECトリガーと連動させずに連続記録させるバックアップ用途に使用できる記録機能にも近日対応予定です。（無償ファームウェアアップデート）

2.ネットワーク機能を搭載し記録映像（高画質/プロキシ映像）のファイル転送が可能。HDビデオストリーム伝送にも対応予定。

本機は、LAN端子を標準装備しており、前述のデュアルコーデック記録機能と組み合わせることで、様々な用途に使用できるネットワーク機能を搭載しています。ワイヤレスLAN接続もオプション（別売品：ワイヤレスモジュールAJ-WM30）でサポートしており、既存のモバイルルーターやテザリング機能付携帯電話を介して、記録済みのHD映像（高ビットレートのメイン記録ファイル）や同時に記録される低ビットレートのプロキシー映像（HD/SD）をファイル転送することが可能です。（FTPクライアント機能）

AJ-PX270には、WWWブラウザからアクセスできるHTTPサーバー機能も搭載しており、ネットワークに接続したPC/Mac、タブレット端末、スマートフォン^※2から、プロキシー（AVC-Proxyファイル）の再生、プロキシーファイル・クリップ情報のダウンロード、メタデータの表示・編集、メタデータ（ショットマーク/テキストメモ）の編集が可能です。また、カメラステータス、サムネール画像の確認、カメラのリモートコントロール（記録制御とタイムコード・ユーザーズビットのセット操作）も可能です。
※2：対応機種は「サポート＆ダウンロード」を参照。

また、ワイヤレスLANに加えて、通信キャリア各社から提供されている4G/3Gデータ通信モジュール（USBタイプ）に対応する予定です。このことにより、上述のネットワーク機能が携帯回線を介しても可能になります。

さらに、2014年秋には、ファームウェアアップデートによりHDビデオストリーミングにも対応する予定です。本機能によりメモリーカードに記録しながらライブストリーム配信が可能になります。その他、収録済みプロキシー映像の指定サーバーもしくはクラウドサーバーへの自動アップロードと、サーバーにインストールしたWEBアプリによる「リモート・プレイリスト編集機能」に対応します。本機能は、自動アップロードしたプロキシー映像をサーバー上で簡易編集して、必要な映像部分（高ビットレートのメイン記録データ）だけをカメラレコーダーからサーバーに対して転送させることができます。

これらの多彩な通信機能により、一刻を争うニュース取材の場合でも従来のように記録メディアの到着を待つ必要はなく、ストリームビデオやファイル転送された映像データでニュース速報をオンエアすることが可能です。また、海外取材などの遠隔地での撮影データも、国内のプロダクションからプロキシー映像で確認、先行して編集作業を開始することができます。AJ-PX270により、取材からオンエアまでの放送ワークフローの高速化、プロダクション業務の効率化が可能になります。

3．業界初^※高解像度OLEDビューファインダー&QHD液晶モニター搭載。放送用ショルダーマウント型カメラで培った操作性を導入など、使い易さに拘り。

ショルダーマウント型カメラレコーダーの操作性を、ハンドヘルド型のボディサイズでどこまで継承できるかを追求しました。

ニュース取材用に必要な光学22倍ズームレンズは、放送用レンズ同様にフォーカス、ズーム、アイリスの各リングが独立して装備。粘りとリブ形状にもこだわり交換レンズに近い感覚のマニュアル操作が可能です。とくに微妙な操作を要求されるフォーカスリングには指の触れる方向と往復動作に配慮したウェーブ・ローレット形状を採用しました。

ビューファインダーには業務用ハンドヘルド型で初めて^※3、映像遅延も少なく色再現にすぐれた高解像度OLEDディスプレイ（約236 万ドット、映像表示エリア約177万ドット）を採用しました。また、LCDモニターには、QHD IPS液晶パネルを搭載。どちらもフォーカス合わせが行いやすい高画質です。

ハンドヘルド型として業界初^※3、ショルダー型と同じレンズ直下のフロントRECボタンを設けました。とくに三脚使用時、レンズ操作からスムーズな操作で収録開始が可能です。同様に、フロントにオーディオ入力レベルボリュームを配置（ON/OFF・CH 割付け可能）や、3つのトグルスイッチ（DISP/MODE CHECK、GAIN、WHITE BAL）もハンドヘルド型として初の採用。ショルダー型同様の位置とデザインにより収録中のブラインドタッチ操作に配慮しました。
※3：業務用ハンドヘルド型カメラレコーダーで業界初。2014年2月現在（当社調べ）

高倍率のズームレンズを搭載しながらコンパクトかつ低重心デザイン。手持ち撮影時の良好なバランス、視認性、広い視野を確保しています。大容量バッテリーは本体内に収まり、後方へのはみ出しがありません。撮影時に使用する外部端子を右サイドに配置したこととあいまって、胸当てスタイルでの撮影を妨げないデザインです。またシャッターカバー内蔵レンズフードにより、移動中の利便性と安全性を高めました。シャーシには剛性と耐久性にすぐれたマグネシウム合金ダイキャスト製を採用しています。