撮影監督の阪本善尚氏(J.S.C.)は、VARICAMの開発段階から携わり、「突入せよ!あさま山荘事件」では全編にわたってVARICAMを撮影で使用するとともに、このほど撮影監督として『あずみ2~Death or Love』と『ビートキッズ』の2本の映画作品でVARICAMを活用した。『あずみ2』はフィルムとの混在、『ビートキッズ』はオールデジタルでシネマスコープと10bit非圧縮のHDD収録、というデジタルシネマ制作における新しいステージへのアプローチを試みている。阪本氏にこの2作品の話を中心に話を聞い。
『あずみ2~Death or Love』 小山ゆう氏の同名漫画の実写映画化第2弾『あずみ2~Death or Love』。2005年3月15日に公開予定(配給:東宝/配給協力:日本ヘラルド映画)の同作品は、「クロスファイア」「ガメラ」シリーズなどの金子修介監督がメガホンをとり、撮影では35ミリフィルムとVARICAMが併用されるとともに、松下電器産業のマルチパーパスカメラ[AK-HC911]も一部カットで使用されている。また、バリアブル・フレーム・レート機能を活用したハイスピード撮影も行われ、現場に設置したフレーム・レート・コンバーターによる確認は利便性が高かったという。35ミリおよびHD720pの映像素材の調整とフィルムレコーディングはIMAGICA。フィルム素材とHD素材は、シネオンの10bitログをプラットフォームとすることでマッチングを行い、収録はHD D5で行われた。レンズはフジノンのHDスーパーシリーズのとツァイスの単焦点レンズ。CG作業は、10bit素材によってNTTメディアラボが行った。