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シェリダン氏(撮影監督):『BAGGAGE』のように速い作業がなりよりも必要な企画には、DVX100はぴったりでした。小さなボディに液晶モニタ-は移動も簡単だし、コスト削減にもなりました。もともと目的に合わせてよくレンズを変えるタイプなんですが、DVX100内蔵ズームレンズならそんな必要もありませんでした。ミニDV カメラでライカのレンズを搭載しているものは最上位機種であり、焦点距離があっという間に決まるんです。 おまけに撮影モードが変えられるなんて最高ですよ。今回の企画では、空想と現実の違いを色やコントラストや遠近法の違いでなく、そのときの雰囲気(フレームレート)で表そうと思ったんです。60iから24pまでいろいろ切り替えられるので、カメラやテープ、ビデオフォーマットを切り替える必要もなく、撮影はとても順調でした。欲しい映像がたった1台のカメラで実現できるんですから。 個人的には24p撮影可能なのが一番気に入ってます。プログレッシブ撮影では、フィールド間のインターレース撮影で生じるインターラインのブレが軽減されるし、モーションブラーがよりリアルに表現できる。また、モーションの後ろに光の筋が出たりせず、フレーム内にはっきりとしたモーションの映像が残ってくれます。 今回のように非常に短期間の製作では、照明の準備も満足にできないので、DVX100のツールを使って補えるのはありがたかった。「コントラストy」設定をちょっと強くしたいときなど、ガンマテーブルを選べるのでかなり助かりました。照明を明るくするなんてことはせずに、カメラのローガンマ設定をベースに撮影しました。こうしてシャドウ部分を引き上げ、作品のコントラストを一定に保つことができたんです。カラー補正も同等機種ではトップクラスの性能だと思いますね。一番初めの撮影で設定しておけば、3分もかからず自分流にカスタマイズした画質を画面に反映できる。こういった機能のおかげでスケジュールどおりに撮影できたし、映像の調整も完全にコントロールできました。
ニコラス氏(監督):幻想の部分はプログレッシブ撮影、現実の部分はインターレース撮影したかったので、AG-DVX100の機能はまさにぴったりでした。現実の部分はすべて三脚で撮影し、合間の幻想はカメラを持って撮影しました。ライアンが人物のアップを2、3回撮ったんですが、撮れば撮るほど撮影が面白くなってきたらしく、いろいろ試していましたね。
ライアン氏:DVX100をベッドの下へ押し込んで、キノフロ照明とスプレ-霧につつまれたスーツケースが、震え、輝き、煙を出すというこの作品のクライマックスシーンを撮影しました。カメラが小さいからベッドの下にも押し込めたし、プログレッシブ撮影できたのでフィルムっぽく仕上げることができました。
編集作業は、デイブ・デイエン氏がドクター・ローストックでFinal Cut Pro 3 を使って行った。撮影は日曜日の午前1時で終了し、編集は土曜日の午後3時から開始。日曜日午前5時までにニコラス氏とデイエン氏がラフカットを仕上げて、追加でどんなシーンが必要かを明確にし、日曜日午前9時にクルーが集まってラフを見た後、追加撮影の準備に入った。最終の編集が完了したあと、DVX100のXLR ポートからオリジナル曲を録音した。
ニコラス氏:24pビデオカメラはこれからもできるだけ使っていくつもりです。デジタルワークフローはシンプルでよく考えて作られていますね。画質も上々で、コストもリーズナブル。DVD 製作にも使っていますが、実にすばらしいと思います。 シェリダン氏:DVX100は急ぎの仕事には最適のカメラですね。大衆向けのツール並みの価格で、スタジオ向けのプロ用ツールの働きをしてくれるので、予算が少ない中で24p撮影の表現をしたい人にもぜひ勧めたいと思います。