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撮影監督を務めた日本映画撮影監督協会の三好和宏氏
■「難波金融伝 ミナミの帝王」シリーズは、複数を同時並行で制作していくため、どうしてもスケジュールがタイトになってきます。最新作では、より短期間で高いコストパフォーマンスを求められたため、「AG-HVX200」を選択しました。結果、P2 カードへのデータ収録からMac ベースでの後処理という全体の制作システムが確立されていたことが奏功しました。
■以前から、小さな筐体のカメラに対しては、レンズのワイド部分が足りないと感じていましたが、今回実際に使用し、ワイド的に引けることを実感しました。絵の質感は、かなりキレイな印象を持ちました。「難波金融伝ミナミの帝王」シリーズは、DVD とビデオでリリースされる作品ということからも、家庭の視聴環境においてクオリティ的に問題はないと感じました。
■また、新しい収録メディアであるP2 カードについてですが、入れ替えはまるでフィルムのロールチェンジと同じような感じでしたね。P2 カードの撮影時間は720/24pN モードの場合、8GB × 1 枚で20 分ですから、35mm フィルムの1000ft マガジンと比べるとおよそ10 分多いということになります。フィルム育ちのカメラマンとしては充分な収録時間を確保できるという感覚がありました。
■今回、収録素材をLTO テープで保存、納品しました。これまで、テープ収録した場合、何十本という素材テープを納品しなければならなかったわけです。さらに、再編集であったり、過去の素材を再利用するときなどは、その中から探し出すため、かなりの時間と労力が必要でした。そんな膨大な素材がLTO テープ1 本に収まる。編集のプロジェクトファイルまでが入っていますから、新たな作業が必要になった場合も、目当ての部分にたちどころに返ることができます。撮影から仕上げ、そして素材管理に至るまで、P2 メディアのメリットを最大限に活かしたワークフローを確立できたことで、映像の作り手にとって、また新たな選択の幅が広がったといえます。