ページの先頭です。
11式が納入されているP2HDカメラレコーダーAJ-HPX2100はAVC-Intra 50コーデックで収録。
■テープレス化によりオンエアまでの時間が短縮 カメラは報道系7式、制作系4式の計11式のすべてにAJ-HPX2100を採用。AVC-Intraを軸に運用をしています。5ヶ所の支局にはP2HDフォーマットで運用するAG-HPX555を各1式ずつ導入しました。報道サブの送出用には、P2デッキAJ-HPS1500が設置されています。 同社・報道編成制作局報道制作部長兼報道制作管理部長の伊藤典昭氏はテープレス化の経緯について次のように話しています。 「我々地方局のニュースは、正確さとスピードが勝負。特に午前中の発生モノは1秒でも早くオンエアに乗せることが地方局の評価につながります。テープ時代には原稿が出来上がっても編集が終わっていないというケースもありましたが、テープレス化はこうした問題を解消しました」。 同社は2006年12月、県内の地上デジタル放送開始に合わせてHDフォーマットにDVCPRO HDを採用。当時SDモデルのP2シリーズの進展を見ながら、その後登場した高画質記録と圧縮効率の良いAVC-Intraを基幹フォーマットとして採用することに決めました。
■取材現場もファイルならではのメリットを実感 報道制作部カメラマンの村中洋生氏は「テープからの移行はスムースに行えました。撮影現場での即座なクリップの確認や、地方から素材伝送する際は、カメラ内でカード1枚に必要クリップを集めることで効率のよい伝送ができるなど、ファイルならではメリットを享受できています。編集時はテープ時代に気になっていたキャプチャーの時間も必要なくなりました」と話しています。 同じくカメラマンの渡辺俊一朗氏は「取材時はテープチェンジやテープの持ち運びがなくなったことで機動力が高まりました。P2カードは大容量化とエコノミー・モデルの出荷によってカメラ1台の収録時間は飛躍的に向上していますから、現場での抜き差しはほとんどありませんね」と話しています。 P2カードは、16GB×150枚、32GB×70枚、64GB×20枚の計240枚を保有。取材カードは7人のカメラマンに各5枚を割り当て、残りを送出用や予備で利用されています。
■編集・送出・アーカイブをAVC-Intraで一貫運用 撮影後のP2カードは、AVC-Intraにネイティブ対応するプライム・エディットに実装したP2ドライブに挿入し、素材をバックグラウンド・コピーしながら編集作業に入ります。編集はカメラマンが担当。完パケ・データは送出用P2カードに転送し、送出デッキに挿入後、連動するOTC(ワンタッチ送出システム)によって送出工程に入ります。完パケはオンエア後、NASで接続したLTOにアーカイブ。これらすべてのシステムは西日本コンピューター製の報道支援システムによって、原稿とリンクした一貫管理を実現しています。 同社では今後、DVCPRO HDによる運用が続いている制作サブについてもAVC-Intraへの更新を図り、同フォーマットを局内で全面採用していく計画だということです。