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フランスの国民議会は、2009年に委員会議場にHDカメラを設置して、委員会審議を記録し中継放送できるようにすることを決議しました。国民議会の不動産・財産事業局(Service des Affaires Immobilieres et du Patrimoine)の映像音響技師ジュリアン・デシャン氏に、そのプロジェクトの内容とパナソニックの機器を選択するに至った理由を伺いました。
近いうちに、国民議会の諸委員会はおそらく公開審議を増やす方向に進み、そこでの審議が議会プロセスの中でより重要な位置を占めるようになるでしょう。そのため、透明性の要求の一環として、また憲法改正や議会規則改正の直接的な影響もあり、情報公開に対する要求が高まっています。このプロジェクトの対象となったのは5つの議場で、そのうちの3つの議場が改修され、2議場は新設されました。
■そのプロジェクトの準備に携わったのはどなたでしたか。また技術パートナーをどのように選定しましたか。
プロジェクトの準備は、基本的に議会の不動産・財産事業局(SAIP)が行ないました。なぜなら、改修では、アーカイビングおよびインターネット配信に関するすべての工事を行うために、通信事業局および情報システム事業局と協力して、大工、塗装、電気工事などの様々な職が介入する必要があったからです。2009年の夏に、私自身が将来の設置についての非常に詳細な技術面および財政面の調査を行いました。さらに、プロジェクト・マネジャーの助けを借りてそれらの調査を検証し、技術仕様の策定に協力していただきました。 技術パートナーの選定は、公開入札の枠組みの中で、通例の正式手順の形で実施しました。各施工候補企業に提案を出してもらい、諮問委員会(40%が技術面、20%が組織面、40%が経済面)で発表された基準に照らして最善と判断されたのが、IECのプロジェクトでした。
■なぜパナソニックの機材を選んだのですか。
システム全体で選びました。パナソニックのカメラは、コストこそ全体の約10%と小さいものの、システムの中では重要な部分を占めていました。新しいインテグレーテッドカメラAW-HE50Sは、調査していた時点ではまだ商品化されていませんでしたが、IPネットワーク制御によるシステムの柔軟性およびインテグレーションの点で、国民議会のニーズに特にうまく適合していました。技術的にも、内部配信、テレビ放送網への配信、さらにインターネット配信(ダイレクト配信またはビデオ・オン・デマンド方式)といった用途にうまく適合しており、施工候補企業数社がこのモデルを提案したことが、選択した理由です。
■実際に使ってみて最終的にはいかがでしたか。
最終的な結果は非常に満足のいくものであり、委員会議場にうまく適合しています。今回の新設に要した投資は、標準的な放送設備を設置した場合よりも大幅に低い金額でした。また、高度に開発された自動制御機能により、議会で使っている他の放送設備と比べてランニングコストを大幅に削減することができました。